ドーリィ♪カノン~ヒミツのライブ大作戦~ (小学館ジュニア文庫) (小学館ジュニア文庫 や 4-4)
ドリ♪カノ小説発売! - やぶうち優のハジさらしな日記
表紙の奏四の服が『GIRL BOY』ですね。この世界で流行ってるブランドなんでしょう。
ドリ♪カノ初のオリジナルノベライズ本。ドラマ版の脚本を担当した北川亜矢子さんの執筆だから、もしかしたらドラマ版をベースとしたオリジナルストーリーなんじゃないかと少し心配になったけれども、原作のマンガをベースとした話で少し安心した。ただ、微妙に原作とは異なってる設定があるような気がするので、原作で今回の小説の話があったことにするのは無いと思う(心音と奏四がカラオケ店でであって半年以上たつけどデビューしてないとか。ただ、原作の最新話が何月ぐらいなのかいまいちわからないので、確実に異なるとは言い切れない。ただ、小説版のほうには、みらのの話がでてこない)。
簡単に話の内容を書くと、カノンと心音がデビューしたばかりの男性四人組のユニット『fermata』の2ヶ月後に行われるライブでの前座を務めることになり、それに向かって奮闘する話です。ただ、fermataのボーカルの音尾波が心音のことに気があるらしく、それが波乱な展開になります。
ドラマ性もあってなかなか面白かったです。やぶうち先生の描くイケメンも見れますしね。挿絵の一つ(やぶうち先生のブログにあがってるの)が、幸田さんにしか見えませんが。新曲の歌詞にも『キミ』という言葉が入っていていい感じです。
ただ、それでもいくつか突っ込みたいところはあります。
例えば、なんで車で送り届けてもらう順番が、奏四(というよりカノン)→fermataのメンバー→心音の順番なのかと。カノンの姿なんだから、心音と一緒に降ろしてもらえよと思った。
後、ツッコミというより違和感だけど、村崎さんの発言がところどころおネエぽかったです。「あら、何?」なんて言葉、普通の男じゃ使わないと思うのだけど。
それと、ドラマ版の小説が一人称小説だったので、今回も一人称小説だと思ったのだけれども、三人称小説でした。心音と奏四の視点(というより、スポット?)が章をわけずに変わるところもあります。まあ、こっちのほうがマンガっぽいちゃあマンガっぽいのかな。
ちなみに、簡単に一人称小説と三人称小説の違いを説明しておくと、一人称小説は『私』が主語で、三人小説は『登場人物の名前』が主語になるという違いがあります。わかりやすいように、心音と奏四がカラオケルームで出会った場面をドラマ版の小説と今回の小説で比較してみます。
『ドラマ ドーリィ♪カノン~カノン誕生~ 1.宍戸心音 ~夢のような人~』より
歌い手さん。あと一歩、前に出てみませんか? そうすれば、貴女のお顔が見えるです。あと一歩、あと一歩……、そうしてその顔が見えた瞬間、私は思わずドアを開けました。
「奏四きゅん!?」
何と、中にいたのは奥田奏四きゅん、その人だったのです!
~省略~
「奏四きゅ……、奏四くんが、どうしてココに!?」
「どうしてって、え、と……」
奏四きゅんはしどろもじろになって、後ずさりしました。
『ドーリィ♪カノン~ヒミツのライブ大作戦~ Plan01 突然の訪問者』より
『この歌声の主が誰なのか知りたい!』
そう思った心音は、それがいけないことだと知りながらも、歌声の漏れ聞こえるカラオケルームを探しだし、中を覗いた。すると何と、そこには「Kanon」を熱唱する、奏四の姿があったのだ。
当時、「男が女性ボーカルの歌を歌うなんてカッコ悪い!」と思い込んでいた奏四は、クラスメイトの心音に、レミの曲を熱唱しているところを目撃されたことに慌てふためく。
前者は、奏四がしどろもじろになっているのは分かりますが、奏四が何を思ってしどろもじろになっているのかは分かりませんね。なぜなら前者は心音視点だから奏四の気もちまでは分からないからです。対して後者は、第三者視点なため奏四の心情も描けるというわけです。ただ、一瞬、『「男が女性ボーカルの歌を歌うなんてカッコ悪い!」と思い込んでいた』のが心音だと勘違いしそうになる人もいそうです(いないかも?)。同じ人が書いていても、一人称視点か三人称視点かでこうも変わるんですね。
なお、奏四がカノンの格好を時にも奏四について話すときは、『カノン』じゃなくて、『奏四』でした。そのため、たまに奏四がカノンの姿なのか男姿なのか分かりにくいところもちょっとあった(ちなみに、自分はこのブログにおいて感想エントリーを書く際、基本的に、ウィッグをつけていたら『カノン』、つけていなかったら『奏四』としています)。
ここから話が変わります。今回の小説ともほとんど関係無いです。
前に、ホリエモンの金持ちになる方法はあるけれど、金持ちになって君はどうするの?という本を読んだのですが、そこに『スピンオフ作品量産化ビジネス』という事業アイデアについて書かれていました。
どういう事業アイデアかというと、ある人気漫画の本編では描くことのできなかった隠れ設定をライターにつたえてノベライズ化してもらうというものです。このアイデアを見た時、これは是非やってもらいたいと個人的に思いました。
今回のドリ♪カノの小説の場合、やぶうち先生のブログで『北川亜矢子先生渾身の書きおろし』と書いてあるところからして、話を考えたのはやぶうち先生ではなく、北川亜矢子先生だと思うのでまた話が違いますが、もしやぶうち先生が考えてる裏設定があるものの、漫画で描くことができないという場合、その設定やストーリーを伝えてノベライズ化したら面白そうですね。
ただ、ドリ♪カノの場合、そういう裏設定はちゃおDXの番外編で描けるし、やぶうち先生自身、自分で描きたいと思ってると思うので、ないかもしれませんね(そもそも、裏設定があるか分かりませんが)。
そうそう、最後に、これは本当にどうでもいい話なのですが、今回の小説はMARUZEN&ジュンク堂書店梅田店という場所で購入しました。
MARUZEN&ジュンク堂書店 梅田店 |実店舗詳細 |丸善&ジュンク堂ネットストア
上記リンク先にも書いてあるとおり、国内最大の売り場面積です。たまに、書店でうろちょろして全本棚を軽くチェックすることありますが、この書店でそんなことしたら多分、一日がかりです。
地下一階にコミックコーナー、二階に文庫コーナーがあります。今回購入する小説は漫画の小説版だし、小学館ジュニア文庫だし、多分地下一階か二階にあるだろうと思って検索端末を使って検索してみると、なんと七階(この書店の最上階)の児童書コーナーにあると書いてありました。
エスカレーター乗り継ぐだけで大変でした(大げさと言われそうですが)。しかも、途中のフロアのコーナーが気になって寄り道しちゃい、ムダな時間が発生する羽目に。エレベーターに乗れよと言われそうですが、あまりエレベーターは好きじゃないんです(特に、仲の良い知人以外と一緒になるエレベーター)。
だいたい、『小学館ジュニア文庫』なんてシリーズ名ですが、大きさは文庫サイズではなく、新書サイズなんですよね。なんで文庫という名前をつけたんだややこしい。
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