2020年9月7日月曜日

『そらいろメモリアル』の1巻を購入しました

そらいろメモリアル (1) (ちゃおコミックス)
やぶうち 優(著)
小学館 (2020-09-01T00:00:01Z)

¥484


やぶうち優先生の最新作、『そらいろメモリアル』を読みました。
少女漫画といえば、だいたい恋愛ものが多いけど、この作品はそういった描写がない友情もの。やぶうち優先生の漫画では恋愛描写がない作品は珍しいような。メインの登場人物にイケメンの男の子キャラはいるので、今後どうなるかは分からないけど、男のほうが主人公に惚れることはあっても、逆はないような気がする。
内容としては、死神の男の子(といっても人を死に追いやるわけではなく、死んだ生命の魂を回収するだけらしい)が突然現れて、仲のいい友達が1年後に知ることになるという話。
いわゆる余命ものともいえるけど、よくある余命ものが亡くなる方が自分がもうすぐ死ぬと分かってるのにたいし、この作品は分かってないので、それが分かるのかどうか。もしかしたら、すでに自分は余命一年と分かってるのかもしれないし。
こうやって書くとじゃあ、1年後に友だちを死なせないように行動する話かと思いきや、どうもそういうわけではないらしい。後1年、どうやって悔いのない人生を歩んでいくかというのが焦点になる話なのかなと思った。
ただし、この話では友だちのために何かをしているという話はなし。卒業式が簡易式になった卒業生のために家に行って歌って回ったり、今日死ぬ犬を散歩に連れて行ったり。友達のためというより、誰かのために二人で思い出作りをしていくという話になっていくのかな。
うまくいけば名作になりそうな感じだけど、ちゃお読者の反応はどうなんだろうか。自分は好きだけど、重いテーマは苦手な人もいるだろうし。個人的にはやぶうち優先生が満足できるぐらい長く続いてほしいところ(もちろん、だからといってダラダラと続いてほしいわけではない)。

過去のやぶうち優先生の作品でいうと、『ないしょのつぼみ』っぽい感じ。と思ったら、やぶうち優先生自身がそう書いてた。

初潮の話とか、やぶうち優先生らしいなと思った。SF(すこし・ふしぎ)な話だし。

ところでこのコミックスを読んでちょっと驚いたのが、どこにもやぶうち優先生のコメントがないこと。大抵、特に1巻では、あとがきか、表紙カバーの内側にでも何か書いてあることが多かったと思うのだけど、何もなし。連載前のキャラ設定画というのもあったけど、普段ならどういうところにこだわったかというコメントがありそうなもんだけどそういうのもなし。今までと心構えが違うのかな。テーマが死を扱うだけあって、デリケートだしね。
後、次回予告も、やぶうち優先生の他の作品の宣伝ページもなかった。さすがにシリーズものと分かっている1巻で次回予告がないというのは今まで無かったような……。

3話のインフルエンザでもうすぐで卒業の6年生が学級閉鎖になるという話は、新型コロナウイルスで休校になったニュースを見て思いついたのだろうか。3話ということは、5月号(4月発売)だけど、話の内容を変えるにはギリギリすぎるタイミングだし、微妙なところ。
と思ったけど、下記のツイートをやぶうち優先生がリツイートしてるようなので、やっぱり意識したのかな。


それにしても、死神というと悪いイメージがあるけど、この漫画にでてくる死神はかなりいい奴。魂を回収する上で、現世への未練を残さないようにするのも仕事ということなのだろうか。
それにしても、たとえ未練なく死ぬことができるとしても、小学生が死ぬ話と考えると悲しい話にならざるをえないのだろうなと思う。

そういえば、今回のキャラクター名は何か縛りはあるのだろうか。主人公の名前が余目蒼月(あまるめ・そら)、死神の名前が佐倉偲(さくら・しのぶ)、友だちの名前が有森紅葉(ありもり・いろは)、同級生の男の子が玄(げん)、偲の同級生の死神の女の子が文(ふみ)だそうだけど、共通点があるのかは分からなかった(しいていうなら、色に関係する名前が多そう? 「そら」の漢字を「蒼月」としてるぐらいだし)。

とにかく、1巻を読んだ時点ではすごいよかったので、続きも気になるところ。話の内容が内容だけに、打ち切りなんかで終わらないでほしいと思う

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